Cafe Mindfulness by Sati

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マインドフルネスとマインドレスネス

心は過去や未来に彷徨う。過去の嫌な出来事を思い出してイライラしたり、 未来のことを心配して不安になったり・・・。 そういう時、心は今ここではなく未来や過去にある。 未来や過去は頭の中の概念であって、実際には無いものだ。 現実にあるのは今だけ。未来はまだ無いし、過去は既に無い。 だが心は過去や未来に彷徨う。頭の中の概念の世界に彷徨い、囚われる・・・。 現実にある今に注意を向けることによって、心を今にあらしめる。瞑想は呼吸に注意を向け続けることによって、心を今ここにあらしめる。

呼吸は常に今ここにある。 過去の呼吸は既に無く、未来の呼吸はまだ無い。 今ここにある呼吸に注意を向けることによって心を今ここに存在させるのだ。 呼吸だけではない。五感によって感じ取っている感覚は常に今ここにあるものだ。 呼吸や体の感覚に注意を向けいてる時、心は今ここにある。

マインドフルネスとは「評価や判断に囚われることなく、今の体験に注意を向けること」だ。今に注意が向いている時、心は今ここにある。 反対に心が今ここに無い状態、 心が過去や未来、今ここではないどこかに彷徨っている状態、つまり注意が今ではなく、未来や過去、今ここではないどこかに向いている状態、この状態を マインドレスネスやマインドワンダリングと呼ぶ。 過去や未来のことを考え、囚われている状態で、無意識的に考えていて、 今に気づいていない状態だ。 今だけが実際に存在する現実で、過去や未来は頭の中の出来事だ。

嫌な出来事があった時、それを何度も頭の中で反芻して、 嫌な思いを何度も繰り返していることはないだろうか。 嫌な出来事が第一の矢だとすると、反芻して嫌な思いをしているのは、 第二、第三の矢である。 第二、第三の矢は過去の嫌な出来事を思い出して嫌な思いをしている状態で、 心が過去に彷徨っている状態である。 心が今ここにないマインドレスネスな状態だ。 過去に心が囚われているマインドレスネスな状態に気づき、心を今ここに戻す。 心をマインドフルな状態にする。普段、無意識にしている呼吸。その呼吸を意識することで、呼吸に気づく。 無意識の意識化。普段は無意識に行っている呼吸や、体の動作、思考を意識し、気づくこと。 それがマインドフルネス。 一切の思考を差し挟むことなく、評価や判断を加えずに、 五感で捕らえたことを直接、感じ、ありのままに見る。思考せず、五感で捕えたことを直接、ありのままに見る。五感で捕えたことを捕えたままに見る。

昨今、マインドフルネスだとかマインドフルネス瞑想だとか呼ばれているものは、 多義的な意味を含んでいる。 マインドフルネスという言葉は、巷では「瞑想」という意味で使われたり、 「評価や判断を加えずに、今ある経験に意図的に注意を向けること」 というような意味で使われたりする。 元々はパーリ語の「サティ」で、サティの英訳が「マインドフルネス」である。

今回はここまでにしておこう。

夕日